去る夏に何を思うか

夏というものは私にとっては一番厄介な季節で、青春を蔑ろにしてきた罰なのかこの時期になると言い知れぬ焦燥感と絶望感が襲ってくるのです。

夏に関する行事とは無縁の青春時代を過ごしてしまったお陰で、それらはさながらテレビの中でしか観測することのできないフィクションであるかのように錯覚してしまう。

まだ体験しきれていない夏という事象に対して、ただどうすることもできないまま、時間だけが過ぎ去っていく。夏の終わりを感じながら、まだやり残したことがあるかのような焦りと、あぁ、今年もまたダメなのかと悟るような絶望を感じずにはいられないのです。

この痛みを味わうことのない人がとても羨ましいです。いつか私もそちら側の人間になる日が来るのでしょうか。